HOME>>記憶の中の旅の記>> その04 …… 大久野島(2013年02月17日)


 時に旅はこころを弾ませ、時に旅はこころを痛くする。
 現在でも私たちは決して痛みから解放されてはいない。局地的な平和を満喫する一方、未来に対する不安に対して常に怖れを抱いている。私たちの子供や孫が未来永劫、平和を実感しつづけることを望んではいるが、今に至る人間の歴史を思い返せば、決して平坦な道ではないことは明白である。やがて、私は未来を知らないまま他界する…。

 

撮影機種:OLYMPUS E-3 ZUIKO DIGITAL 18mm f/8 1/60 ISO400 EV-1 絞り優先AE

 

 がらにもなく、さまざまな思いにこころを揺さぶられる旅だった。すでにゆだねることしかできない私たちは、ただ祈ることのみを許されている。たった今、あらゆる場所に存在する美しい景色が、他ならぬ人間の手によって破壊され瓦礫と化すことなく、永遠にその場所に残ることを切に願っている。

 

撮影機種:OLYMPUS E-3 ZUIKO DIGITAL 18mm f/8 1/40 ISO800 EV-1 絞り優先AE

 
 帰路はフェリーだった。

「少し疲れたよ」
 帰宅した私は、妻にそうつぶやいていた。


撮影機種:OLYMPUS E-3 ZUIKO DIGITAL 36mm f/8 1/200 ISO100 絞り優先AE


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