HOME>> 記憶の中の旅の記 >> 酒都西條[冬の日](2008年01月21日)


 この布は幾度の循環を繰り返しているのだろうか・・・。暖かそうな湯気が辺りに漂っていた。
 空気も風も冷たい・・・、しかし光景は暖かかった。光景はあらゆる言葉を凌駕する。そして、その事実が私にシャッターを切らせるのである。


撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/2.8 1/500 ISO100


 桶と雪と冷たい空気、何ら作為することなく風景は完成する。
 ありとあらゆる町のありとあらゆる場所に、風景はともかく存在する。おおまかに言えば、風景はすべて美しい。その美しい風景の中から、とりわけ自分の好きな風景を探すために旅に出る。そんなことを繰り返してきた。

 

撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/1.4 1/1000 ISO100


 雪かきをするフォークリフトと少し暗い家屋の中を歩く杜氏、単なるいつもの光景に違いないのだが、こうして見ると、やはり美しい。
 写真は真実を写すとよく言われるが、実際はそんな簡単なものではない。いい写真は真実以上のものを写す。繰り返すが、すべての風景は美しい。しかし、すべての写真が美しいわけではない。その事実が理解できれば写真を撮る力量は上達する。

 

撮影機種:OLYMPUS OM-1 ZUIKO MC 200mm f/4 1/250 ISO100


 賀茂鶴を後にして、しばらく歩くと亀齢の裏手に出る。
 亀齢の煙突は白い。何年か前に知人から亀齢の限定品をいただいたのだが、びっくりするほど美味しかった。


撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/4 1/250 ISO100


戻る つづく

>>記憶の中の旅の記に戻る