朝起きると、広島市内は真っ白だった。
「これは、西條は大雪だな」
と、考えたとたん居ても立ってもいられなくなり、JRで東広島市西条町を訪ねた。50分弱の旅路である。
車窓から雪が降り積もった景色を眺めているうちに気分が高揚してきた。
西條は、私が中学時代を過ごした町である。当時は田んぼだらけだったが、今は景色が一変している。それでもまったく変わらない場所が残っている。さまざまな酒蔵が残る一帯である・・・。
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撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/1.4 1/500 ISO100
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何度訪れても、この場所は懐かしい。なにしろ思春期を過ごした地である。あの頃は、父も母も若かった。父は今年免許を返納するという。
賀茂鶴の塀の脇道を進む。息は白い・・・。月曜日だったからだろうか、観光客の姿はなく人影はまばらだった。つきあたりを右に進むと本陣跡があるはずだ。
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撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/2 1/1000 ISO100
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本陣跡から左に歩を進めると賀茂鶴がある。この地に賀茂鶴が創業したのは江戸の初期、元和9年(1623年)、当初は醸造業をなりわいとしていたらしい。
現在は自由に観覧できるが、私が中学生の頃はそうじゃなかったような気がする。
大きな樽があった。もしかしたら江戸時代の樽かもしれない…。そう思うと少し嬉しかった。
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撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/2 1/1000 ISO100
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しばらくその辺を撮影していると、杜氏さんらしき人が近づいてきた。
「あそこから撮ったらいいですよ」
と、すぐそばにある建物の上階を指さしてくれた。私は礼を述べ、その建物の外階段を昇った。
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撮影機種:OLYMPUS OM-1 G.ZUIKO 50mm f/8 1/125 ISO100 |
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つづく
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