HOME>>記憶の中の旅の記>> 宮島 (2009年11月12日)


 厳島神社を外側から撮影した。その方が社殿の朱塗りがいっそう引き立つだろうと考えたからだ。16時13分、陽はかなり傾いている。社殿は赤く柔らかい光に照らされて、神々しさを増しているように思えた。
 実を言うと宮島は、私が今住んでいる場所から、フェリーの乗船時間を含めて50分もかからない場所にある。もともと広島市内の学校に通っていたため、何度も遠足でこの場所を訪れた。当時はそれが幸福なことだとはまったく思ってもいなかったが、それはとても稀有なことであり、何よりも幸福なことだと今では痛感している。


撮影機種:OLYMPUS E-3 f/4 1/320 ISO100 絞り優先AE


 例えば…このフランス人のカップルはパリから12時間45分かけて、今この場所にいる。航空券は格安でも7万円ほどらしい。私がこの場所を訪れるための費用は500円くらいである。
 それにしてもフランス人はアートだなと思いながら、この光景にしばらく見入っていた。実のところ、彼と彼女がフランス人だという確証はまったくない。光景を眺めながら私が勝手に判断しただけのことだ。アメリカ人でもないだろうし、ましてやロシア人でもない。結局、スペイン人かフランス人だろうなとさんざん考えたあげく、彼と彼女はフランス人だと決めた。


撮影機種:OLYMPUS E-3 f/5.6 1/100 ISO100 絞り優先AE


「さて、そろそろ帰ろう」
 フェリーに乗り込み空を眺めた。今日という1日が終わろうとしている。次はいつここを訪れようか…。夕日が美しかったのを記憶している。

撮影機種:OLYMPUS E-3 f/4 1/100 ISO100 EV -0.7 絞り優先AE


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