島内を散策すれば、容易に懐かしい光景を見つけることができる。私はむしろそんな懐かしい光景を見つけるために、この世界遺産の島を何度も巡っているのかもしれない。例えばこの手押し車など、おそろくもうどこに行っても見つけることはできないのではないかと思う。錆びた鉄の籠に覆われた緑色のバケツ、手水鉢の水草上に置かれた竹の簾…、それらさまざまな光景にピントを合わせシャッターを切る。私にとって、この島にあるあらゆるものが紛れもなくいとおしいと感じられる瞬間である。
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撮影機種:OLYMPUS E-3 f/4 1/320 ISO100 絞り優先AE
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遠回りはしたものの、町屋通りから五重の塔を見渡せる場所にたどり着いた。
よく観光パンフレットでも見受けられる撮影スポットのひとつである。もう日暮れは近い。
カメラにはフィルムカメラの時代から、EV値の-補正、+補正という便利な機能が搭載されており、そのおかげで私たちは自由な作画を楽しむことができる。また、昨今ではデジタル現像も非常に手軽におこなえるため、写真の面白さはさらに広がったように思う。
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撮影機種:OLYMPUS E-3 f/5.6 1/100 ISO100 絞り優先AE
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いよいよ、大鳥居が目の前に現れた。左手に社殿、右手に大鳥居、この場所で何度シャッターを切っただろうか。そしてまた、今日も同じ場所で飽きもせずシャッターを切る。
今日のこの時間は干潮である。社殿も大鳥居も、干潮の夕暮れと満潮の夕暮れではまったく違った表情を見せる。そういう意味で、せっかくこの場所を訪れた国内または海外の観光客の方々には、ぜひ連泊をお薦めしたいといつも思う。
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撮影機種:OLYMPUS E-3 f/4 1/60 ISO320 絞り優先AE
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砂浜で人々が、大鳥居を間近で見ようと集まっている。実際、大鳥居は想像した以上に大きい。おそらく、砂浜にいる多くの人が大鳥居を見上げ、その予想外の大きさに驚嘆していることだろう。あと一ヶ月半もすれば、この島は真っ赤に彩られ、今日とはまったく違った景色を見せる。つくづく、この島の近くに居住していることのありがたみを、私は常々感じている。
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撮影機種:OLYMPUS E-3 f/4 1/200 ISO100 絞り優先AE
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